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懷劒
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くわいけん
すれば、お
前がロミオへの
封印代りにした
此手を、
他し
證書の
封印に
使はうより、
又僞りの
無い
此心を
操に
背いて
他し
男に
向けうより、
此懷劒で
手も
心も
突殺してのけう。
さもなくば、
此怖しい
懷劒を
難儀の
瀬戸際の
行司にして、
年の
功も
智慧の
力も
如何とも
能うせぬ
女一人の
面目を
今こゝで
裁決かす、
見て
下され。さ、
早う
何となと
言うて
下され。
ヂュリ いゝえ/\、それを
中止にする
方便が
無いなら、
聞いたなぞとおッしゃるな。お
前の
智慧にも
能はぬなら、つい
予の
覺悟をば
良い
分別ぢゃと
讃めて
下され、すれば
此懷劒で
今直に
敢行けう。