けい)” の例文
見れば、西門慶の体は、頭から脳漿のうしょうを出して伸びている。彼は、短剣を拾って、けいの首を掻き、金蓮の首をあわせて、袖ぐるみに横へ持った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつぞやの凌雲院りょううんいんの仕事の時も鉄やけいむこうにしてつまらぬことから喧嘩けんかを初め、鉄が肩先へ大怪我をさしたその後で鉄が親から泣き込まれ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼等の脳中よりヒロイツクを描く事の憚りと恐れとを取り去つて、随意に此方面に手を着けしむるの保証と安心とを与へ得たるをけいするものである。
文芸とヒロイツク (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
幸いにして我が国では相当にぜいは重いとはいいながら、まだまだ個人の営業について、しばしば犠牲ぎせいを要求するほどに弱いものでないのはお互いにけいすべきことである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
武男が母は、名をおけいと言いて今年五十三、時々リュウマチスの起これど、そのほかは無病息災、麹町上こうじまちかみ番町ばんちょうやしきより亡夫の眠る品川しながわ東海寺とうかいじまで徒歩かちの往来容易なりという。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
と、ひそかにけいし合っている容子ようすだが、家康のほんとの肚のなかは、宿老たちよりは遥かに老熟ろうじゅくしているのである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第十三子けいだい王とし、大同府だいどうふに居き、第十四子えいしゅく王とし、藩に甘州府かんしゅうふに就かしめ、第十五子しょくを封じてりょう王とし、広寧府こうねいふに居き、第十六子せんけい王として寧夏ねいかに居き、第十七子けんねい王に封じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
県城通りのえんじゅ並木に、ひときわ目立つ生薬きぐすり問屋がある。陽穀ようこく県きっての丸持まるもちだともいう古舗しにせだ。男はその薬屋の主人で名はけい苗字みょうじは二字姓の西門せいもんという珍らしい姓だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けいしておる時でもありますれば
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)