慓悍へうかん)” の例文
なかにも年少ねんせう士官等しくわんら軍刀ぐんたうつかにぎめて、艦長かんちやう號令がうれいつ、舷門げんもんほとり砲門ほうもんほとり慓悍へうかん無双ぶさう水兵等すいへいらうでさすつてる。
小憎らしかつたその慓悍へうかんさが、今その倍増しになつた背丈と同じやうに彼の中に育つて、ちつとも坊主臭くない筒抜けな、からりとした性格に発展したやうであつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
中々慓悍へうかん決死の大将軍である。ちつと味噌を上げるやうだが、先づ猛獣狩の功者と云つたら「ドール」先生だらう。天晴武勇の振舞は我々犬族の先祖たるに耻ぢずと云ふべしだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
此等は抑〻そも/\何に胚胎はいたいしてゐるのであらうか、又そも何を語つてゐるのだらうか。たゞ其の驍勇げうゆう慓悍へうかんをしのぶためのみならば、然程さほどにはなるまいでは無いか。考へどころは十二分にある。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
慓悍へうかんな謙信、勇敢にしてしかも緻密な計画性をもつた氏康、この三人が用ゐた印章は、それ/″\龍、獅子、虎であるのも興味深いが、まさに彼等は、当時日本の龍であり、獅子であり
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
慓悍へうかんなれども童貞の悲観的なるやさしさをもち
此時このときしづかに艇頭ていとうめぐらして此方こなたちかづいてたが、あゝ、その光譽ほまれある觀外塔上くわんぐわいたふじやうよ※ いろくろい、筋骨きんこつたくましい、三十餘名よめい慓悍へうかん無双ぶさうなる水兵すいへいうしろしたがへて、雄風ゆうふう凛々りん/\たる櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ