悪口わるぐち)” の例文
旧字:惡口
「まあ、待ちたまへ。君のうただつて悪口わるぐちともかぎらない。よろしい。はじめ。」柏の木は足をぐらぐらしながらうたひました。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「あんないいおばあさんに、ぼくはよく悪口わるぐちをいって、まことにすまなかった。」と、信吉しんきちは、後悔こうかいするのでした。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
客の他の一人、いや、悪口わるぐちを云はれたから、口惜くやし泣きに泣いたのかも知れません。(笑ふ)
長崎小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
きてときにはさんざん悪口わるぐちわれたものが、んでからくちきはめてめられたり、またその反対あべこべに、生前せいぜん栄華えいがゆめたものが、墓場はかばってからひどいはずかしめをけたりします。
悪口わるぐちをいいながら、またずんずんってしまいました。へびはくやしくってたまりませんけれども、どうにもならないので、だれよりもいちばんあとにおくれて、のろのろついて行きました。
物のいわれ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「としこさんのばかやい。」といって、悪口わるぐちをいうか、なぐりつけるのがせきやまで、としさんも
春の日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、待ちたまえ。君のうただって悪口わるぐちともかぎらない。よろしい。はじめ。」
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
悪口わるぐち岡目八目をかめはちもくの然らしむる所以ゆゑんだと大目おほめに見て頂きたい。(九・七・十八)
西洋画のやうな日本画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かう云ふのは僕の先生たちや友だちの悪口わるぐちを言つてゐるのではない。僕等人間と云ふうちには勿論僕のこともはひつてゐるのである。たとへば僕等は或友だちをいぢめ、彼を砂の中に生き埋めにした。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と、悪口わるぐち世間せけんへいいふらしました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
小野の小町 神仏かみほとけ悪口わるぐちはおよしなさい。
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)