“急(せか)” の例文
なし幸ひ雨も小降(こぶり)になりぬ翌日は天氣になりなんと心(こゝろ)急(せか)るゝ十兵衞は死出(しで)の旅路(たびぢ)と知ぬ身の兄長庵に禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貞之進はます/\気が急(せか)れたがそれを隠そうがために、今日は居ないねと云えば、そうですか明るい内は儂と一所でしたが、それじゃア送って行ったのでしょうと
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
一輛(りょう)の馬車を認め目科は之(こ)れを呼留(よびとゞ)めて先(ま)ず余に乗らしめ馭者(ぎょしゃ)には「出来るだけ早く遣(や)れ、バチグノールのレクルース街(まち)三十九番館だ」と告げ其身も続て飛乗りつ只管(ひたすら)馬(うま)を急(せか)し立(たて)たり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
宛(あたか)も若き競技者が方人(かたうど)、調練者(ならして)の群(ぐん)に急(せか)れてか楕圓砂場(だゑんさぢやう)をさして行く時
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
大「そんなに急(せか)なくっても宜(い)い」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其方(そなた)樣へ御渡し申候間金子首尾能御請取下され度(たく)金子さへ有ば何國(いづく)の浦にても心の儘と存候へば一時も早く立退度(たちのきたく)夫のみ祈り居參せ候猶委細の事は源藏殿より御聞下(きゝくだ)さるべく候何も心急(せか)れ候へば先は荒々(あら/\)申上參せ候めで度(たく)かしく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)