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御聞
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おきゝ
何うぞ
御聞遊してと
屹となつて
疊に
手を
突く
時、はじめて一トしづく
幾層の
憂きを
洩しそめぬ。
厄難の
相あるにより
能愼めとの事故
何致たなら
遁るゝ事やと
御聞申たれば前世の
因縁に
因此世に於て
災難に
逢なれば遁るゝ事はなり難し然ども命には
恙ないとの
仰なりしが今日までは
先露命を
得心せず
少しなれども
御請納下されねば申
難しと
達て
差出す故然ば仰に隨はんと
受納め扨御用の
筋はと
尋ねしに彦三郎
御二
階にて
内々御聞申
度人の耳へ入れては宜からずと申に付子供と
云怪み
乍ら助十を