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待遇
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あしら
ふりがな文庫
“
待遇
(
あしら
)” の例文
おとらは
往返
(
いきかえ
)
りには青柳の家へ寄って、姉か何ぞのように
挙動
(
ふるま
)
っていたが、細君は心の侮蔑を
面
(
おもて
)
にも現わさず、物静かに
待遇
(
あしら
)
っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
村の人達は、富江を
淡白
(
きさく
)
な、さばけた、面白い
女
(
ひと
)
として心置なく
待遇
(
あしら
)
つてゐる。殊にも小川の母——お柳にはお
贔負
(
きにいり
)
で、よく
其
(
その
)
家
(
いへ
)
にも出入する。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その当人の器量次第では、妾と思はぬ、奥として
待遇
(
あしら
)
ふほどに、そこを万々承知して一ツよい奴、いゑ何よいお嬢様上りのものを、周旋してくれまいかとの、仰せを蒙りましたので。
誰が罪
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
それがあるばかりにお絹と
継母
(
ままはは
)
との間おもしろからず理屈をつけて叔父幸衛門にお絹はあずけられかれこれ三年の間お絹のわが家に帰りしは正月一度それも
機嫌
(
きげん
)
よくは
待遇
(
あしら
)
われざりしを
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
若
(
も
)
し情談をいいかけられたら、こう、花を持たせられたら、こう、
弄
(
なぶ
)
られたら、こう
待遇
(
あしら
)
うものだ、など、いう事であるが、親の心子知らずで、こう
利益
(
ため
)
を思ッて、云い聞かせるものを
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
さてこそ遂に狂したれと、妾は急ぎ書生を呼び、
好
(
よ
)
きほどに
待遇
(
あしら
)
わしめつつ、座を
退
(
しりぞ
)
きてその後の成行きを
窺
(
うかが
)
う
中
(
うち
)
、書生は客を
賺
(
すか
)
し
宥
(
なだ
)
めて屋外に
誘
(
いざな
)
い、
自
(
みずか
)
ら
築地
(
つきじ
)
なる某教会に送り届けたりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
世事に
馴
(
な
)
れない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友となったツモリに
独
(
ひと
)
りで
定
(
き
)
めてしまって同情や好意や
推輓
(
すいばん
)
や
斡旋
(
あっせん
)
を求めに行くと案外
素気
(
そっけ
)
なく
待遇
(
あしら
)
われ
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
あの方利口者だから好い加減に
待遇
(
あしら
)
って
搾
(
しぼ
)
っていたんですが、私立探偵の山本さんッていうパトロンがある事が分ったもんだから、川口さん怒って、欺されたって一時大騒ぎをやってましたが
青い風呂敷包
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
村の人達は、富江を淡白な、さばけた、面白い女として心置なく
待遇
(
あしら
)
つてゐる。殊にも小川の母——お柳にはお氣に入りで、よく其家にも出入する。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それをお勢は、生意気な、まだ世の
態
(
さま
)
も見知らぬ癖に、明治生れの婦人は
芸娼妓
(
げいしょうぎ
)
で無いから、男子に接するにそんな
手管
(
てくだ
)
はいらないとて、鼻の
頭
(
さき
)
で
待遇
(
あしら
)
ッていて、更に用いようともしない。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
萬一其麽事があつては誠に心外の至りであると智惠子は思つた。それで成るべく
寡言
(
ことばすくな
)
に、隙のない樣に
待遇
(
あしら
)
つてゐるが、腑に落ちぬ事があり乍らも信吾の話が珍しい。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それで
可成
(
なるべく
)
寡言
(
くちすくな
)
に、
隙
(
すき
)
のない様に
待遇
(
あしら
)
つてはゐるが、腑に落ちぬ事があり乍らも信吾の話が珍しい。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“待遇”の意味
《名詞》
客などをもてなすこと。
雇用者が雇っている者に対し与える地位・給与など。
それに準じた扱いを受ける地位であること。
(出典:Wiktionary)
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“待遇”で始まる語句
待遇振
待遇方