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弱冠
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じゃっかん
ふりがな文庫
“
弱冠
(
じゃっかん
)” の例文
しかし、秀次は、年まだ十七の
弱冠
(
じゃっかん
)
である。そこで秀吉は、自分の左右から、木下助右衛門と、同姓の
勘解由
(
かげゆ
)
のふたりを選抜して
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
長老の
警
(
いましめ
)
をかえりみず、はなはだしきは
弱冠
(
じゃっかん
)
の身をもって国家の政治を談じ、ややもすれば
上
(
かみ
)
を犯すの気風あるが如し。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
わたくしが
弱冠
(
じゃっかん
)
の頃、初めて吉原の遊里を見に行ったのは明治三十年の春であった。
里の今昔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
清河の
崔羅什
(
さいらじゅう
)
という青年はまだ
弱冠
(
じゃっかん
)
ながらもかねて才名があったので、これも徴されてゆく途中、日が暮れてこの墓のほとりを過ぎると、たちまちに
朱門粉壁
(
しゅもんふんぺき
)
の楼台が眼のまえに現われた。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ここの篠村八幡は、彼が
弱冠
(
じゃっかん
)
のときの
曾遊
(
そうゆう
)
の地。また、彼が反北条の旗上げをした地。——思い出多い三度めの宿命地だった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
されば余が
弱冠
(
じゃっかん
)
の時より今日にいたるまでの生活は、
悉皆
(
しっかい
)
偶然に出でたる
僥倖
(
ぎょうこう
)
にして、その然るゆえんは必ずしも余が暗愚、先見の明なきがために非ず。
成学即身実業の説、学生諸氏に告ぐ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ただ惜しむらくは、竹中半兵衛ほどな人物に、なぜか天は
逞
(
たくま
)
しい肉体を与えなかった。
弱冠
(
じゃっかん
)
から多病の質である。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
概してこれを
弱冠
(
じゃっかん
)
の年齢といわざるをえず。たとい
天稟
(
てんぴん
)
の才あるも、社会人事の経験に乏しきは、むろんにして、いわば無勘弁の少年と評するも不当に非ざるべし。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
武装もせぬ
弱冠
(
じゃっかん
)
の敵が、わずか三、四名に過ぎないのだと
見縊
(
みくび
)
りながらも、多くの
甲冑
(
かっちゅう
)
武者は、容易にそこの板縁まで踏みのぼることができないでいた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
弱冠
(
じゃっかん
)
の書生は、多くは無勘弁にして、その人に非ずということならん。この言、まことに
是
(
ぜ
)
なり。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
やがて武田
晴信
(
はるのぶ
)
の甲軍が、東美濃へ
焼
(
や
)
き
働
(
ばたら
)
き(放火
攪乱戦
(
こうらんせん
)
)に出たとき、
弱冠
(
じゃっかん
)
の忠三郎氏郷、かの馬に乗って、敵中へ駈け入り、敵の
物頭
(
ものがしら
)
たる豪の者と引ッ組み
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三成も
武弁
(
ぶべん
)
一片でない政治的な頭脳の持主であり、山城守も、
弱冠
(
じゃっかん
)
すでに戦陣の武名を
剋
(
か
)
ち得ていても、その本質はあくまで経世的な
抱負
(
ほうふ
)
にあり、そういう点でも、非常に
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにつけまた人々は、老公の幼年から
弱冠
(
じゃっかん
)
時代の逸事を、幾つか、思い出していた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大坂城という大きな家の
主
(
あるじ
)
になっているが、その秀吉が、
弱冠
(
じゃっかん
)
十八、名もまだ日吉といっていた頃、数年放浪の果て、郷里の庄内川の
畔
(
ほとり
)
で、当時の若い城主織田三郎信長に近づき
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ
弱冠
(
じゃっかん
)
といっていい。それなのに、服色も装身のすべても、ひどく地味好みであった。長袖の羽織も
山繭織
(
やままゆおり
)
の
鶯茶
(
うぐいすちゃ
)
の無地ですましている。大口に似た
袴
(
はかま
)
だけが何やら特殊な織物らしい。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
祖父
(
じい
)
さまのような境界のお方はべつですが、あなたはこれからいよいよ
烈
(
はげ
)
しい風雲のなかに立ってゆかねばならない
弱冠
(
じゃっかん
)
ではありませんか。よくよくいまの時勢を天に訊いてごらんなさい
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれはすぐ自分の
弱冠
(
じゃっかん
)
の頃を思いうかべていた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あの
弱冠
(
じゃっかん
)
の警吏は、犯すと
仮借
(
かしゃく
)
しないぞ」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“弱冠”の意味
《名詞》
弱冠(じゃっかん)
二十歳の異称。はたち。
(本来的には誤用、修飾に用いて)若くして
(出典:Wiktionary)
弱
常用漢字
小2
部首:⼸
10画
冠
常用漢字
中学
部首:⼍
9画
“弱”で始まる語句
弱
弱音
弱々
弱虫
弱法師
弱点
弱火
弱腰
弱気
弱味