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みせだい
卯平は
屹度ガラス
戸を
立て
店臺から
自分で
菓子をとつてやる。それでも
與吉は
菓子を
噛ぢりながら
側へは
寄らうともしなかつた。
店臺へは
暑い
頃には
蟻の
襲ふのを
厭うて四つの
足へ
皿や
丼の
類を
穿かせて
始終水を
湛へて
置くことを
怠らないのであつた。
「えゝ、
情ねえ
奴等だな」
爺さんは
捻り
掛た
紙を
棄てた。
店先の
駄菓子を
入れた
店臺をがた/\と
動かす
者があつた。