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底意
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そこい
ふりがな文庫
“
底意
(
そこい
)” の例文
なぜ自分のこの胸の内が母親には分らぬのであろう。自分一人で来て打ち
融
(
と
)
けた談合をしようとせずに、訊くまでもなくもう
底意
(
そこい
)
は明らかに見えている。
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
がただし、江戸人士は、悪罵や皮肉は呈しても、めったに讃辞を送らない。殊にかれらは常に反官的であり、武士階級への反感がその
底意
(
そこい
)
となっている。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神尾主膳は机竜之助をして、伯耆の安綱と称せらるるこの名刀を試させん
底意
(
そこい
)
があって来たものと見えます。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこでその問答の
底意
(
そこい
)
は、己れが
煩悩
(
ぼんのう
)
の心を打ち破って己れが心の地獄を
滅却
(
めっきゃく
)
するために勇気
凜然
(
りんぜん
)
たる形をあらわし、その形を心の底にまで及ぼして
解脱
(
げだつ
)
の方法とするのであります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
... その
底意
(
そこい
)
は
如何
(
いか
)
に?』フルコム答ふ—『わが南蛮四十二国、みなデウス
如来
(
にょらい
)
を拝むによつて、
苦患
(
くげん
)
なく乞食なく病者なし、なんぞ貧者を駆つて施物を集めんや。いま却つて我らが底意を ...
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
主水はいよいよ平伏して、御高家御同座では申しあげかねることなので、おゆるしねがいたいと言うと、宗春卿はお糸の方のほうへ
底意
(
そこい
)
のある眼づかいをしながらニヤニヤ笑いだした。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
領主
此
(
この
)
書面
(
しょめん
)
にて
僧
(
そう
)
が
申條
(
まうしでう
)
の
證
(
あかり
)
は
立
(
た
)
ったり、
情事
(
じゃうじ
)
の
顛末
(
てんまつ
)
、
女
(
をんな
)
が
死去
(
しきょ
)
の
報告
(
しらせ
)
また
貧窮
(
ひんきう
)
なる
藥種屋
(
やくしゅや
)
より
毒藥
(
どくやく
)
を
買求
(
かひもと
)
めてそれを
持參
(
じさん
)
し、
此處
(
これ
)
なる
女
(
をんな
)
の
墓
(
はか
)
の
中
(
なか
)
にて
自殺
(
じさつ
)
なさん
底意
(
そこい
)
まで、
明白
(
めいはく
)
と
相成
(
あひな
)
ったわ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「——
底意
(
そこい
)
を申せば、弦之丞めも、当今、皇学尊重のふうを非義とは存じられませぬ、むしろ、ひそかに王室の
御衰微
(
ごすいび
)
をなげいている一人なのでござります」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藤波は、
底意
(
そこい
)
ありげな含み笑いをして
顎十郎捕物帳:06 三人目
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかも、五人の
偽菩薩
(
にせぼさつ
)
の顔色をジロリと見ると、もし自分が
石見守
(
いわみのかみ
)
に
加担
(
かたん
)
して、いな、と一
言
(
ごん
)
に
突
(
つ
)
ッぱねれば、どういう
手段
(
しゅだん
)
にもうったえかねない
底意
(
そこい
)
がよめる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも、賀の
底意
(
そこい
)
には、さきにわが手で、九紋龍
史進
(
ししん
)
を獄にくだしていた要心もあった折のことだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
既にこの金が、明らかに、外記の
底意
(
そこい
)
を証拠だてていると見て間違いはない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
底
常用漢字
小4
部首:⼴
8画
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“底意”で始まる語句
底意地