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尺帶
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じやくおび
「
俺ら
云はんねえでも
藥は
氣ついてたのよ」
勘次はおつぎのいふのを
迎へて
聞いた。
彼の三
尺帶には
其の
時もぎつと
括つた
塊があつた。
彼は
他人に
傭はれて
居ながら、
草刈にでも
出る
時は
手拭と
紺の
單衣と三
尺帶とを
風呂敷に
包んで
馬の
荷鞍に
括つた。
彼はぎりつと
縛つた三
尺帶を
解いて、
財布を
括つた
結び
目に
齒を
掛けて
漸く
其財布を
取り
出した。
燒けた
銅貨を
彼は
財布へ
投げ
込んで
復たぎりつと
腰へ
括つた。