きゅう)” の例文
おかしなことに、李陵の家族よりも司馬遷のほうが先に罪せられることになった。翌日、彼は廷尉ていいに下された。刑はきゅうと決まった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
その人は間もなく太子きゅうへはいった。付き添いの女房から御寵愛ちょうあいがあるという報告が大納言へあった。
源氏物語:45 紅梅 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この新クレムリンきゅうも、あと三時間以内には水中に没するぞ。宰相閣下に、そう取次いでください
世事せいじ測る可からずといえども、薙髪ちはつしてきゅうを脱し、堕涙だるいして舟に上るの時、いずくんぞ茅店ぼうてんの茶後に深仇しんきゅう冥土めいどに入るを談ずるの今日あるを思わんや。あゝまた奇なりというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
支那しなで昔から行なわれた肉刑にくけいおもなるものとして、けい(はなきる)、(あしきる)、きゅう、の四つがある。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
曰く、われ聞く、前代の大臣の吏に下さるゝや、多く自ら引決すと。身は高皇帝の子にして、南面して王となる、あに僕隷ぼくれいの手にはずかしめられて生活を求めんやと。ついきゅうじて自ら焚死ふんしす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
忽然こつぜんとしてまたきゅうに入るに及びたもう。そのことまことに意表にづ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)