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宙外
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ちうぐわい
私が
手をついて
畏まると、
先生にはお
客分で
仔細ないのに、
宙外さんも
煙に
卷かれて、
肩を
四角に
坐り
直つて、
酒のいきを、はあはあと、
專らピンと
撥ねた
髯を
揉んだ。
……
故柳川春葉と、
私とが
編輯に
携はつて
居た、
春陽堂の
新小説、
社會欄の
記事として、
中京の
觀察を
書くために、
名古屋へ
派遣といふのを、
主幹だつた
宙外さんから
承つた
時であつた。
いとせめて
愛であへりし、其の日、日曜にて
宙外君立寄らる。