ねえ)” の例文
ねえさん泣いても騒いでも仕様はねえ、此の浜には船一ぺい繋いで居ようじゃなし、人ッ子一人通りゃアしねえ、なにを
「まさかねえやは、謡曲うたい狂言によく出てくる狂女じゃあるめえ。……人が笑うわな。……い顔をしているのに、髪だって、もすこしどうかして歩いたらどうだい」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中戸なかどを開けて、土間をずッと奥へ、というねえさんの指図に任せて、古くて大きいその中戸を開けると、妙な建方たてかた、すぐに壁で、壁の窓からむこう土間の台所が見えながら
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可愛いねえさん! ちよいと……
羽ばたき:Ein Marchen (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
小「おや、このねえさんだ、此の間私が若旦那のお供して年始廻りに歩いた帰りに、私の腮を払ったのは」
ねえさんなぞは、誰にでもすぐ目につくから、そんなほうへ売り飛ばされないように、また変な野武士などに引ッかからねえようにずいぶん気をつけないと物騒だぜ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからね、素肌を気にしてわきの下をすぼめるような筋のゆるんでるねえさんじゃアありませんや。けれども私が出入ではいりをするようになったのは、こちらから泣附いたんです、へい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面目ないどころじゃアない、みんながめて居やす、錨床いかりどこてつが来て、あのねえさんのような感心なものはえ、親の為に自分から駈込んで身を売るというのは実に感心だ
ねえやは、都ものらしいが、家出でもしたのか? それとも、主人の家でも飛び出して来たのか」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ねえさん、町から、この坂を上る処に、お宮がありますわね。」
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前の忰は此のねえさんのとこへ毎晩来てしからんことを云掛け、云う事をきかんければ、鉄砲で打つの、刄物で斬るのと云うので、娘さんも誠に困ってわしへお頼みじゃ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ねえさん、町から、此の坂をのぼところに、お宮がありますわね。」
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あの親父が此の間ひげを剃りましたよ白髪交りの胡麻塩頭をゆって新しい半纏を引掛ひっかけて坐って居ますが大きに様子がくなって病人らしく無く成ったが、ねえさんも襦袢に新しい襟を掛けたぜ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
五「へえねえさん、えゝ今晩の内にお葬りになりますように」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
勘「わっちねえさんの顔が見てえから時々くんです」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)