好意こうい)” の例文
それでいぬたいして、好意こういのあるかんがえがかんでこなかったのです。「きっと、そのいぬは、ゆきしたになって、んでいますでしょう。」
風と木 からすときつね (新字新仮名) / 小川未明(著)
その事実をしるさんに、外国公使中にて最初さいしょ日本人にしたしかりしは米公使タオンセント・ハリスにして、ハリスは真実好意こういを以て我国わがくにに対したりしも
おにこころになりったわたくしは、両親りょうしん好意こういそむき、同時どうじまたてんをもひとをもうらみつづけて、生甲斐いきがいのない日子ひにちかぞえていましたが、それもそうながいことではなく
そのうえにガロフォリがわざわざ口に出して用向きを言いつけてくれるのは、たいへんな好意こういであった。
「ウーム。秀吉は伊那丸に好意こういをよせて、あんに、かれを庇護ひごしているものとみえる。だが……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とかく無理むり希望きぼうってると、自分のすることにも無理むりができるから、無理とくるしみを求めるようになるなどと話されて、細君もひたすら西田にしだ好意こういに感じて胸がひらいた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
しかし、祖父そふは何ともいわないで、彼の方へやって来ていてくれた。クリストフには祖父そふ満足まんぞくしているのがよくわかった。彼は小さな自尊心じそんしんから、そういう好意こういがうれしかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
これはうれしい好意こういであったが、マチアにもわたしにも、てんでん、この海を二度とわたりたくない……ともかくも、ここしばらくはわたりたくないわけがあった。