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おおとの
ふりがな文庫
“
大殿
(
おおとの
)” の例文
箪食壺漿
(
たんしこしょう
)
の歓びに沸きたってはおるが、かんじんな相馬の
大殿
(
おおとの
)
将門
君
(
ぎみ
)
が、なんと、ややもすれば、お淋しそうな、お顔つきではあるまいか。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大殿
(
おおとの
)
より
歌絵
(
うたえ
)
とおぼしく書たる絵をこれ歌によみなして
奉
(
たてまつ
)
れと
仰
(
おおせ
)
ありければ、屋のつまに
女
(
おみな
)
をとこに逢ひたる前に梅花風に従ひて男の
直衣
(
のうし
)
の上に散りかかりたるに
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
家康は
約束
(
やくそく
)
どおり甚五郎を
召
(
め
)
し出したが、目見えの時一言も甘利の事を言わなんだ。蜂谷の一族は甚五郎の帰参を快くは思わぬが、
大殿
(
おおとの
)
の
思召
(
おぼしめ
)
しをかれこれ言うことはできなかった。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
大殿
(
おおとの
)
にはそれを聞こしめされて、この古屋敷は
変化
(
へんげ
)
の住み
家
(
か
)
とみゆるぞ、とく狩り出せよとの下知にまかせて、われわれ一同が
松明
(
たいまつ
)
振り照らして、床下から庭の
隅
(
すみ
)
ずみまで隈なくあさり尽くしたが
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『さ。よう、お
寝
(
やす
)
みなされませ。
大殿
(
おおとの
)
のてまえは、朝となって、木工助が、よいようにしておきまするで。……お案じのう』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「いやゆうべ、それがしの手に、敵の一将黄祖という者を
生擒
(
いけど
)
ってありますから、生ける黄祖を敵へ返して、
大殿
(
おおとの
)
の屍を味方へ乞い請けましょう」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを思うても眠られぬし、また、
日陰
(
ひかげ
)
に
敵
(
てき
)
のいましめをうけておわす、
大殿
(
おおとの
)
のご
心中
(
しんちゅう
)
を思うても、なかなか
安閑
(
あんかん
)
とねている場合ではございませぬ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『もしや、
喧嘩
(
けんか
)
のちまたにでもと、取り越し苦労の限りもなく、寝よと、
大殿
(
おおとの
)
に申されても、寝られたことではござりませなんだ。……でもまあ、ようこそ、ようこそ』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かりにも、
大殿
(
おおとの
)
へ、うそをつく木工助のせつなさを、すこしは、お察しくださりませ。……堀川の叔父御さまのおやしきにて、和子様には、御腹痛で寝ておられました。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そう仰せられますと、いろいろな事どもが、思い出されて参ります。……お父君の
大殿
(
おおとの
)
さまにおかれても、お姉君の
糸姫
(
いとひめ
)
さまにも、ずいぶんご苦労をおかけあそばしました」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうとも、死をいとうのではないが、こんど、
木隠
(
こがくれ
)
とこの
忍剣
(
にんけん
)
がお
供
(
とも
)
をしてきて、
首尾
(
しゅび
)
よう
大殿
(
おおとの
)
のご
安否
(
あんぴ
)
をつきとめねば、
小太郎山
(
こたろうざん
)
にのこっている、
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
や
咲耶子
(
さくやこ
)
や
小文治
(
こぶんじ
)
などにも笑われ草……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえ、
大殿
(
おおとの
)
に召されて、
西曲輪
(
にしぐるわ
)
へお越しになりました」
日本名婦伝:細川ガラシヤ夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雲中
(
うんちゅう
)
の
大殿
(
おおとの
)
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“大殿”の解説
大殿(おおとの)とは、
摂関家において摂関経験者にして現在の摂関の父親にあたる人物に対する尊称。本項で詳述。
江戸時代の幕藩体制下で、後継藩主に家督を譲って隠居した先代もしくは先々代の藩主に対する尊称。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
殿
常用漢字
中学
部首:⽎
13画
“大殿”で始まる語句
大殿油
大殿祭
大殿堂
大殿様
大殿樣
大殿作
大殿内
大殿廂
大殿籠
大殿中将