“西曲輪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にしぐるわ83.3%
にしくるわ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西曲輪にしぐるわの方で、人々のわめきが起った。風の中を、みだれ飛ぶ松明たいまつは、ただ事ではない。大勢の足音や人影の一部は、こっちへも近づいてくる。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西曲輪にしぐるわの廊下から武者走むしゃばしりの方へ、家中のもの誰彼となく、一散になだれだした。その物々しさが、天変のあった直後だけにことさらただごとでなく思われる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雒山らくざんの背をこえ、西方の麓をのぞんで降りてゆくと、真下に雒城の西曲輪にしくるわが見え、蛾眉門がびもん斜月門しゃげつもん、鉄鬼門、蕀冠門らかんもんなどが、さらに次の山をうしろにして鋭い屋根やねの線を宙天にならべていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)