“総曲輪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうぐるわ75.0%
そうがわ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、大宮、車大路、いずこも道は遮断され、庁の総曲輪そうぐるわの辺は、たくさんな遠篝とおかがりで、さながら火焔の府に見えた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌朝、起き出てみると、総曲輪そうぐるわとりでづくりらしいが、内の殿楼、庭園の数寄すきなど、夜前の瞠目どうもく以上だった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
場末ではあるけれども、富山でにぎやかなのは総曲輪そうがわという、大手先。城の外壕そとぼりが残った水溜みずたまりがあって、片側町に小商賈こあきゅうどが軒を並べ、壕に沿っては昼夜交代に露店ほしみせを出す。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
男女ふたりが前後して総曲輪そうがわへ出て、この町の角を横切って、往来ゆききの早い人中にまじって見えなくなると、小児こどもがまた四五人一団になってあらわれたが、ばらばらとけて来て、左右に分れて
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)