壁板しとみ)” の例文
すると、あのいえ壁板しとみに、去年きょねんいなくなった、わたしのいもうと着物きものたのがかかっていましたので、ついぼんやりと思案しあんれていたのでございます。
島の暮れ方の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、壁板しとみのところをながめますと、うつくしいちょうのつばさが、おおきなくものにかかっていたのでありました。
島の暮れ方の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もんのすきまからのぞくと、いえのほかに土蔵どぞうもあったけれど、ところどころ壁板しとみがはずれて、修繕しゅうぜんするでもなく、竹林ちくりんしたには、がうずたかくなって、くものもないとみえました。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
旅人たびびとは、また、「いもうと着物きものに、よく着物きもの壁板しとみにかかっていた——そのいもうとは、去年きょねん行方ゆくえがわからなくなった——。」といったおんな言葉ことばを、いぶかしくおもわずにはいられませんでした。
島の暮れ方の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、朝起あさおきると、ぐちに、おおきなしろはねの、よごれてねずみいろになった、いままでにこんなおおきなとりたこともない、とりんだのが、壁板しとみにかかっているのをてびっくりしました。
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)