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唐棧
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たうざん
ふりがな文庫
“
唐棧
(
たうざん
)” の例文
新字:
唐桟
お吉は小作りなキリリとした顏立の女で、二人の田舍娘には見た事もない程立居振舞が
敏捷
(
すばしこ
)
い。黒繻子の半襟をかけた
唐棧
(
たうざん
)
の袷を着てゐた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
擬
(
まが
)
ひ
唐棧
(
たうざん
)
の袖口が
綻
(
ほころ
)
びて、山の入つた帶、少し延びた不精髯——叔母さんが見たら、さぞ悲しがるだらうと思ふ風體でした。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒔繪
(
まきゑ
)
ではあるが、たゞ
黒地
(
くろぢ
)
に
龜甲形
(
きつかふがた
)
を
金
(
きん
)
で
置
(
お
)
いた
丈
(
だけ
)
の
事
(
こと
)
で、
別
(
べつ
)
に
大
(
たい
)
して
金目
(
かねめ
)
の
物
(
もの
)
とも
思
(
おも
)
へなかつた。
御米
(
およね
)
は
唐棧
(
たうざん
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
を
出
(
だ
)
してそれを
包
(
くる
)
んだ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
見るに上には
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
の
紋付
(
もんつき
)
下
(
した
)
には
縞縮緬
(
しまちりめん
)
の小袖博多の
帶
(
おび
)
に
唐棧
(
たうざん
)
の
袴
(
はかま
)
黒羅紗の長合羽を着し大小を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
世にある頃の
唐棧
(
たうざん
)
ぞろひに
小氣
(
こき
)
の利いた前だれがけ、お世辭も上手、愛敬もありて、年の行かぬやうにも無い、父親の居た時よりは却つて店が賑やかなと評判された利口らしい人の
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
「そんなものはついちやゐませんよ。飛んだ
洒落
(
しやれ
)
男で、袷は
唐棧
(
たうざん
)
の仕立ておろしですぜ——持物は一兩二分入つた財布と、煙草入と火打道具」
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎が訪づれると、
擬
(
まが
)
ひものらしい
唐棧
(
たうざん
)
、眉の薄い、顏の長い、
鉛毒
(
えんどく
)
で青白くなつた男が、丁寧に招じ入れました。
銭形平次捕物控:307 掏られた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さう言ふ八五郎は、頬冠りに薄寒さうな
擬
(
まが
)
ひ
唐棧
(
たうざん
)
の袷、尻を高々と端折つて、高い足駄を踏み鳴らしてをりました。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
刷毛
(
はけ
)
先を散らして左へ曲げた、色の淺黒い
兄哥
(
あにい
)
。
唐棧
(
たうざん
)
の胸をはだけて、掛け
守
(
まもり
)
袋の紐と、腹帶に呑んだ
匕首
(
あひくち
)
の脹らみを見せようと言つた種類の人間です。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
秋が深いにしても、朝の光の中に
鬱陶
(
うつたう
)
しく頬冠り、
唐棧
(
たうざん
)
を端折つて、左の
拳
(
こぶし
)
で
彌造
(
やざう
)
をきめた恰好は、どう
贔屓目
(
ひいきめ
)
に見ても、あまり結構な風俗ではありません。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唐棧
(
たうざん
)
を狹く着て、水髮の
刷毛
(
はけ
)
先を左に曲げた、人並の風俗はして居りますが、長い鼻、
團栗眼
(
どんぐりまなこ
)
、間伸びのした
臺詞
(
せりふ
)
、何となく
犢鼻褌
(
ふんどし
)
が嫌ひといつた人柄に見えるから不思議です。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唐棧
(
たうざん
)
の素袷、足袋
跣足
(
はだし
)
のまゝ、雪駄を片つぽだけ其處に放り出して、少し天眼に齒を喰ひしばつた死顏の不氣味さ、男が好いだけに凄味がきいて、赤い扱帶に、蒼い顏の反映も
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
棧
部首:⽊
12画
“唐棧”で始まる語句
唐棧揃
唐棧格子