呼集よびあつ)” の例文
日についで支度にかゝれば二月の末には萬々ばん/\用意はとゝのひたり爰に皆々を呼集よびあつ評定ひやうぢやうに及ぶ樣はすぐさま江戸へ下るべきや又は大坂表へ出て動靜やうす
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「うるせえ、ちと彼方あつちつててくれ」とひました。あぶのやんちやん、そんなことはみゝにもいれず、ますますはひなどまで呼集よびあつめてまはつてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
昨日は戦いの為めに、今日は翻って平和の為に奔馳する人の呼ぶ声は、おのれを取巻く仲間だけのものを呼集よびあつめて、平和の賜物を壟断しようとするためかも知れない。
冬日の窓 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
七兵衛が駐在所へ駈付かけつける間に、市郎は家中うちじゅうの者を呼集よびあつめて、右の始末を慌しく云い聞かせると、一同は眼をみはっておどろいた。何しろ一刻も早く捜査さがしに出ろと身支度する処へ、塚田巡査も出張しゅっちょうした。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殘らず呼集よびあつめ次右衞門三五郎正座になほ座傍かたはらには寺社奉行じしやぶぎやう并びに遠藤喜助小林軍次郎等列座れつざにて一人々々に呼出よびいだし澤の井の宿を吟味ぎんみに及ぶも名主を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
加へけれどもしるしなきゆゑ茂兵衞の枕元まくらもとへ金屋利兵衞をはじめ家内のこらず呼集よびあつわれ此度の病氣全快びやうきぜんくわい覺束おぼつかなし因て江戸の得意とくいを利兵衞殿へあづけ申なりせがれ吉三郎成人迄せいじんまで何卒我が得意先とくいさき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)