-
トップ
>
-
同級生
>
-
どうきふせい
夫婦がこんな
風に
淋しく
睦まじく
暮らして
來た二
年目の
末に、
宗助はもとの
同級生で、
學生時代には
大變懇意であつた
杉原と
云ふ
男に
偶然出逢つた。
好きこそ
物の
上手とやらで、
自分も
他の
學課の
中畫では
同級生の
中自分に
及ぶものがない。
畫と
數學となら、
憚りながら
誰でも
來いなんて、
自分も
大に
得意がつて
居たのである。
獨で
畫を
書いて
居るといへば
至極温順しく
聞えるが、
其癖自分ほど
腕白者は
同級生の
中にないばかりか、
校長が
持て
餘して
數々退校を
以て
嚇したのでも
全校第一といふことが
分る。