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口取
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くちとり
ふりがな文庫
“
口取
(
くちとり
)” の例文
それに
口取
(
くちとり
)
も
猪口
(
ちょく
)
もお椀も、何から何まで、貝類ばかりなのも弱った。これでは夏の江の島へ行ったようで、北の小樽とは思えない。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
権「気に入らないよ、
妾
(
わたし
)
はいやだよ、それより甘いものが
嗜
(
すき
)
だから
口取
(
くちとり
)
か何かありそうなものだ、
見附
(
めっ
)
けて来ておくれ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わたしは小さくなって後ろの方にかしこまっていると、やがて若い衆は菓子と
口取
(
くちとり
)
と酒などを持って来てくれた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「生きて再びお眼にかかる折もあるまいと思っておりましたが、木下様のお情けで、今日のお使いに、駒の
口取
(
くちとり
)
を申しつけられ、これへお供して参りました」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
莞爾
(
くわんじ
)
として
聞
(
き
)
きながら、よし/\
其
(
それ
)
もよし、
蒲鉾
(
かまぼこ
)
は
旅店
(
はたごや
)
の
口取
(
くちとり
)
でお
知己
(
ちかづき
)
、
烏賊
(
いか
)
の
鹽辛
(
しほから
)
は
節季
(
せつき
)
をかけて
漬物屋
(
つけものや
)
のびらで
知
(
し
)
る
通
(
とほり
)
、
外郎
(
うゐらう
)
は
小本
(
こほん
)
、
物語
(
ものがたり
)
で
懇意
(
こんい
)
なるべし。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
二十銭の原料でこれだけの御馳走が出来れば安い物です。料理屋から
口取
(
くちとり
)
一品を買っても二十銭位致します、これからは家庭で料理したものを御馳走するに限ります。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
おれも真似をして
汁
(
しる
)
を飲んでみたがまずいもんだ。
口取
(
くちとり
)
に
蒲鉾
(
かまぼこ
)
はついてるが、どす黒くて竹輪の
出来損
(
できそこ
)
ないである。
刺身
(
さしみ
)
も並んでるが、厚くって
鮪
(
まぐろ
)
の切り身を生で食うと同じ事だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしはやはり一人で留守番をして、おみやげの幕の内か
口取
(
くちとり
)
の折詰めでも貰って、母や姉の口から芝居のはなしを聴かせてもらう方がむしろ楽しいのであった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何
(
なん
)
でございますか誠に
結構
(
けつこう
)
な
御茶碗
(
おちやわん
)
でと一々聞いて
先方
(
むかう
)
に
云
(
い
)
はせなければなりませんよ、それからぽツぽと
烟
(
けむ
)
の出るやうなお
口取
(
くちとり
)
が出るよ、
粟饅頭
(
あはまんぢう
)
か
蕎麦饅頭
(
そばまんぢう
)
が出るだらう。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかし寒月君の
女連
(
おんなづ
)
れを羨まし
気
(
げ
)
に尋ねた事だけは事実である。寒月君は面白そうに
口取
(
くちとり
)
の
蒲鉾
(
かまぼこ
)
を箸で挟んで半分前歯で食い切った。吾輩はまた欠けはせぬかと心配したが今度は大丈夫であった。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少しく
下卑
(
げび
)
た話であるが、その時にわたしが劇場のなかで食わされた物をかんがえて見ると、まず餅菓子のようなものが出た。それから
口取
(
くちとり
)
物に酒が出た。
午飯
(
ひるめし
)
は幕の内の弁当であった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と是からお吸物に結構な膳椀で、
古赤絵
(
ふるあかえ
)
の
向付
(
むこうづ
)
けに
掻鯛
(
かきだい
)
のいりざけのようなものが出ました。続いて
口取
(
くちとり
)
焼肴
(
やきざかな
)
が出る。数々料理が並ぶ。引続いて出て来ましたのは深川の
別嬪
(
べっぴん
)
でございます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“口取”で始まる語句
口取中間