博物はくぶつ)” の例文
こういう変化はなぜ起ったか、これは物理化学博物はくぶつなどの科学が進歩して物をよく見て、研究して見る。こういう科学的精神を、社会にも応用して来る。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうどとなりいえの二かいには、中学校ちゅうがっこうへ、おしええに博物はくぶつ教師きょうしりていました。博物はくぶつ教師きょうしは、よく円形えんけい眼鏡めがねをかけて、かおしてこちらをのぞくのであります。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
最初には博物はくぶつの学問もおなじように、まずじょうずな分類ということが必要であって、それには自分たちよりも多くの事実を知っている人の、いうことをいて見なければならない。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ひかり滑々かつかつたる先生の禿げ頭で、これまた後頭部のあたりに、種々しょうしょうたる胡麻塩ごましおの髪の毛が、わずかに残喘ざんぜんを保っていたが、大部分は博物はくぶつの教科書に画が出ている駝鳥だちょうの卵なるものと相違はない。
毛利先生 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
博物館はくぶつかん大別たいべつすると、美術びじゆつ歴史れきし考古こうこかんする品物しなもの陳列ちんれつした博物館はくぶつかんと、博物はくぶつ理科りか方面ほうめん品物しなものあつめた科學博物館かがくはくぶつかんふたつの種類しゆるい區別くべつせられることはまへにもべたとほりでありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
博物はくぶつ教師きょうしは、あごにひげをはやしている、きわめて気軽きがるひとでありましたが、いつも剥製はくせいとりを、なんだろう? ついぞたことのないとりだが、とおもっていました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)