-
トップ
>
-
半帕
>
-
はんけち
園が、
人を
分けて
廊下を
茶室らしい
其処へ
通された
時、すぐ
其の
子爵夫人の、
束髪に
輝く
金剛石とゝもに、
白き
牡丹の
如き
半帕の、
目を
蔽ふて
俯向いて
居るのを
視た。
爾時は、
瞼を
離して、はらりと
口元を
半帕で
蔽うて
居た、
某子爵夫人が
頷くやうに
聞き/\、
清らかな
半帕を
扱くにつれて、
真白な
絹の、それにも
血の
影が
映すやうに
見えた。