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十三
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じふさん
一
人榎の
下に
立ちて、「お
月樣幾つ」と
叫ぶ
時は、
幾多の(
應)
等同音に「お
十三七つ」と
和して、
飛禽の
翅か、
走獸の
脚か、
一躍疾走して
忽ち
見えず。
或時は
日の
出づる
立山の
方より、
或時は
神通川を
日沒の
海より
溯り、
榎の
木蔭に
會合して、お
月樣と
呼び、お
十三と
和し、パラリと
散つて
三々五々、
彼杖の
響く
處妖氛人を
襲ひ、
變幻出沒極りなし。