加藤清正かとうきよまさ)” の例文
今は知識競争の時代である。如何いか武蔵坊弁慶むさしぼうべんけい加藤清正かとうきよまさのような豪傑でも、智慧がなければ子供にやられる。智慧を仕入れるのが必要である。
吾人の文明運動 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
うわさの朝鮮征伐ちょうせんせいばつが、いよいよ事実となってあらわれた。加藤清正かとうきよまさ小西行長こにしゆきなが毛利輝元もうりてるもとらが、朝鮮ちょうせん北方ほっぽうさして、進軍しているうちに冬となった。
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
かれはとうとうしゃもじを加藤清正かとうきよまさにしてしまった。だがこの清正はいたって弱虫でいつも同級生になぐられている。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「閣下は水戸黄門が好きなのだそうだ。わしは人臣としては、水戸黄門と加藤清正かとうきよまさとに、最も敬意を払っている。——そんな事を云っていられた。」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくし夕食後ゆふしよくごいつものやうに食堂しよくだう上部じやうぶ美麗びれいなる談話室だんわしつでゝ、春枝夫人はるえふじん面會めんくわいし、日出雄少年ひでをせうねんには甲比丹カピテンクツクの冐瞼旅行譚ぼうけんりよかうだんや、加藤清正かとうきよまさ武勇傳ぶゆうでん
「そりゃあげでえ(外題?)ちげえだ」とやはり五十がらみの漁師が云った、「毒饅頭をくわされたなあ加藤清正かとうきよまさだべえ、ありゃあおめえ徳川方の計略だあ」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
安土あづちの城には、じぶんの主人福島市松ふくしまいちまつをはじめ、幼名ようめい虎之助とらのすけ加藤清正かとうきよまさ、そのほか豪勇ごうゆうな少年のあったことも聞いているが、まだこの竹童のごとく、軽捷けいしょう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加藤清正かとうきよまさは加藤清正らしい顔をしているし、ナポレオンはナポレオンらしい顔をしているから、與太郎よたろうの顔も與太郎らしいだろうか、與太郎は考えるのでした。
たどんの与太さん (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
豊臣秀吉は、朝鮮征伐ちょうせんせいばつをおわったら、ミン(支那)や呂宋ルソン(フィリッピン)、天竺(インド)を攻め取って、帝都を支那にうつし、加藤清正かとうきよまさを天竺(インド)の太守にするつもりだった。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
加藤清正かとうきよまさ相生町あいおいちょう二丁目の横町に住んでいた。と言ってももちろん鎧武者よろいむしゃではない。ごく小さい桶屋おけやだった。しかし主人は標札によれば、加藤清正に違いなかった。
追憶 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
海濱かいひん其處此處そここゝには、毛布ケツトや、帆布ほぬのや、其他そのほか樣々さま/″\武器等ぶきとう應用おうようして出來できた、富士山ふじさん摸形もけいだの、二見ふたみうら夕景色ゆふげしきだの、加藤清正かとうきよまさ虎退治とらたいぢ人形にんぎようだのが、奇麗きれいすなうへにズラリとならんだ。