内職ないしょく)” の例文
母は、午前中はある病院びょういんのそうじおんなとしてはたらき、帰ってからは輸出向ゆしゅつむきのハンケチのへりかがりを内職ないしょくにしていた。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
そのうちには、いもうとがあります。おとうとがあります。父親ちちおやは、んでしまってないために、病身びょうしん母親ははおやは、じっとしていることもできずに内職ないしょくをしています。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
(これは、よいことをきいた。自分じぶんも、そのうち中津なかつからとびださなければならないが、あんまを内職ないしょくにすれば、にいさんからおかねをだしてもらわなくてもすむ。)
このとき、おさくのに、あわれな自分じぶんははしたいて、熱心ねっしんに、風船球ふうせんだま内職ないしょくっている姿すがたかびました。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母は、ばんめしのときに使ったばかりのちゃぶだいをすえて、内職ないしょくのハンケチのへりかがりに余念よねんもなかった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
ちょうど、白石先生しらいしせんせいのところでいっしょに勉強べんきょうしている生徒せいとなかに、諭吉ゆきちよりももっとまずしいひと二人ふたりいました。その二人ふたりは、あんまを内職ないしょくにして、勉強べんきょうしているのでした。
母親ははおやは、まだおさなおとうとりをしながら、内職ないしょくいそがしいからです。そして、北国ほっこくは、いまふゆ最中さいちゅうでした。
おきくと弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「じつは、あの母親ははおやが、内職ないしょくに、風船球ふうせんだまっていましたので……。」とかたりますと、やさしいおくさまは、いくたびもうなずいて、なみだをためていていられました。
おさくの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)