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さきさま
ふりがな文庫
“
先方様
(
さきさま
)” の例文
旧字:
先方樣
とうとう平あやまりのこっち
凹
(
へこ
)
み、
先方様
(
さきさま
)
むくれとなったんだが、しかも何と、その前の晩気を着けて見ておいたんじゃアあるまいか。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうか
先方様
(
さきさま
)
へ私の秘密を告げて、結婚を差し控えて下さいと、涙を流して頼みましたけれど、今になってはどうにも仕様がないではないかという
秘密の相似
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「まあ、それはほんとうに珍しい、またよい人にお目にかかりました。
先方様
(
さきさま
)
は何とおっしゃいました」
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
母「済まないと云って無闇に人を
打
(
ぶ
)
つと云う法がありますか、
先方様
(
さきさま
)
は素直に当家へ病人を引取って看病さえしてくれゝば宜しいと云うから、どうも仕方がないわな」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「私の様な者、とても御武家様へはねえ……こちらで置いて頂きたくッても、
先方様
(
さきさま
)
でねえ」
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
書けと
仰
(
おつ
)
しやれば起証でも誓紙でもお好み次第さし上ませう、
女夫
(
めをと
)
やくそくなどと言つても
此方
(
こち
)
で破るよりは
先方様
(
さきさま
)
の性根なし、主人もちなら主人が
怕
(
こわ
)
く親もちなら親の言ひなり
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
甥
(
おい
)
だ、その
姪
(
めい
)
だ、またその兄だ、娘だ、兄の
児
(
こ
)
だ、弟の嫁だッて、うじゃうじゃしている……こっちが何ものだか職業も氏素性も分らなけりゃ、
先方様
(
さきさま
)
も同然なんだから、何しろ
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私ら風情で
大家
(
たいけ
)
の
嬢様
(
じょうさん
)
と一緒になろうなんかッてえのは間違っている……こりゃア今切れた方が
先方様
(
さきさま
)
のお為と思ったもんだからね、鳶頭の言うなり次第になって目を眠っていたんでげす
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五
分
(
ぶ
)
刈
(
がり
)
の
伸
(
の
)
びたのが
前
(
まへ
)
は
鶏冠
(
とさか
)
の
如
(
ごと
)
くになつて、
頷脚
(
えりあし
)
へ
刎
(
は
)
ねて
耳
(
みゝ
)
に
被
(
かぶさ
)
つた、
唖
(
おし
)
か、
白痴
(
ばか
)
か、これから
蛙
(
かへる
)
にならうとするやうな
少年
(
せうねん
)
。
私
(
わし
)
は
驚
(
おどろ
)
いた、
此方
(
こツち
)
の
生命
(
いのち
)
に
別条
(
べつでう
)
はないが、
先方様
(
さきさま
)
の
形相
(
ぎやうさう
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五分刈
(
ごぶがり
)
の
伸
(
の
)
びたのが前は
鶏冠
(
とさか
)
のごとくになって、
頸脚
(
えりあし
)
へ
撥
(
は
)
ねて耳に
被
(
かぶさ
)
った、
唖
(
おし
)
か、
白痴
(
ばか
)
か、これから
蛙
(
かえる
)
になろうとするような少年。
私
(
わし
)
は驚いた、こっちの
生命
(
いのち
)
に別条はないが、
先方様
(
さきさま
)
の
形相
(
ぎょうそう
)
。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
点火頃
(
ひともしごろ
)
に帰って来て、作、喜べと大枚三両。これはこれはと
心
(
しん
)
から辞退をしたけれども、いや
先方様
(
さきさま
)
でも大喜び、実は鏡についてその話のあったのは、
御維新
(
ごいっしん
)
になって八年、霜月の十九日じゃ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“先方”で始まる語句
先方
先方衆
先方持
先方樣
先方組