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元々
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もともと
ふりがな文庫
“
元々
(
もともと
)” の例文
「どうかなあいつ、古藤のやつは少し
骨張
(
ほねば
)
り過ぎてる……が悪かったら
元々
(
もともと
)
だ……とにかくきょうおれのいないほうがよかろう」
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
早速
(
さっそく
)
酒を取り寄せて、石にぶっかけてみました。けれども、
元々
(
もともと
)
からの石ですから、酒をかけたくらいで正覚坊になりようわけはありません。
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
なぜならばかの女は、天性にも教養にも、こんなとき邪魔ものになるような良心めいたものは
元々
(
もともと
)
持っていなかった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでコックの春吉はすっかり
憤慨
(
ふんがい
)
し、この
復讐
(
ふくしゅう
)
を計画したわけなのだ。彼は
元々
(
もともと
)
、極端な
享楽児
(
きょうらくじ
)
で、趣味のために、いろいろな職業を選び、
転々
(
てんてん
)
として
漂泊
(
さすらい
)
をした。
電気看板の神経
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
元々
(
もともと
)
武芸
(
ぶげい
)
の
家柄
(
いえがら
)
である上に、
生
(
う
)
まれ
付
(
つ
)
き
弓矢
(
ゆみや
)
の
名人
(
めいじん
)
で、その上
和歌
(
わか
)
の
道
(
みち
)
にも
心得
(
こころえ
)
があって、
礼儀作法
(
れいぎさほう
)
のいやしくない、いわば
文武
(
ぶんぶ
)
の
達人
(
たつじん
)
という
評判
(
ひょうばん
)
の
高
(
たか
)
い人だったのです。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
▼ もっと見る
さりとて、見たい気もいたさぬ。おる所にいさせて天意におまかせしておこう。
元々
(
もともと
)
、迷い子にした子でござれば
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗任
(
むねとう
)
はいったん
義家
(
よしいえ
)
に
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けてもらったので、たいそうありがたいと思って、
義家
(
よしいえ
)
の
徳
(
とく
)
になつくようになったのですが、
元々
(
もともと
)
人を
恨
(
うら
)
む
心
(
こころ
)
の
深
(
ふか
)
い
荒
(
あら
)
えびすのことですから
八幡太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こんな苦を
経
(
へ
)
てきたというのも、
元々
(
もともと
)
本来の私というものが可愛いいためであった。ところが、よく考えてみると、本来の私というものが、今では殆んど残っていないのである。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「皆さん、これは正覚坊が
化
(
ば
)
けたのではありません。
元々
(
もともと
)
からの石です」
正覚坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「しかし次郎、きのうも
其方
(
そち
)
に訳を話したとおり、あの品は
元々
(
もともと
)
尾州家秘蔵の拝領仮面、たとい自分の手に返っても、其方や狛家へ戻して遣わす訳にはゆかぬのだぞ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
元々
(
もともと
)
、将門をかたづけようという計は、お互いの
密契
(
みっけい
)
でしょう。私ひとりに、かくまで、苦心させて、さきに書状もあげてあるのに、一兵も加勢を出し下さらぬとは」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに、深い堅固な信仰ではないにしても、
元々
(
もともと
)
、多少仏教に帰依して、この地方に寺の一つも
建立
(
こんりゅう
)
したことのある男だけに、さすが無常を観じて、そう考えずにもいられなかった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それにしても、どうして、なぜ、せがれ達が、将門と、あのように、争わねばならなかったのか。喧嘩は、
元々
(
もともと
)
、お
汝
(
こと
)
たち叔父甥の事とばかり思うていたによ。……それだけが、わしにはなお、いくら考えても、判じられぬが」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元
常用漢字
小2
部首:⼉
4画
々
3画
“元々”で始まる語句
元々集