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優婉
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ゆうえん
ふりがな文庫
“
優婉
(
ゆうえん
)” の例文
「
嵯峨
(
さが
)
や
御室
(
おむろ
)
」で
馴染
(
なじみ
)
の「わたしゃ都の島原できさらぎという
傾城
(
けいせい
)
でござんすわいな」の名文句から思い出の
優婉
(
ゆうえん
)
な想像が全く破れる。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
粗雑なようで
優婉
(
ゆうえん
)
であり、ごちごちしているようで精緻を極め一度ページを開いたが最後、文字通り巻を蔽ふ
能
(
あた
)
わざらしめる。
黒岩涙香のこと
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
ただ、西の
方
(
かた
)
遥
(
はるか
)
に、
山城国
(
やましろのくに
)
、
浄瑠璃寺
(
じょうるりでら
)
、
吉祥天
(
きっしょうてん
)
のお写真に似させ給う。
白理
(
はくり
)
、
優婉
(
ゆうえん
)
、
明麗
(
めいれい
)
なる、お十八、九ばかりの、
略
(
ほぼ
)
人
(
ひと
)
だけの坐像である。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
結跏趺坐した阿弥陀如来の豊かに流麗な像や、
脇侍
(
きょうじ
)
たる観音
勢至
(
せいし
)
両菩薩の、本尊に調和せんとする
優婉
(
ゆうえん
)
な腕と胴体の動きなどは、薬師三尊に酷似している。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
自分の才気と力量と
美貌
(
びぼう
)
とに充分の自信を持つ葉子であったら、毛の末ほども自分を失う事なく、
優婉
(
ゆうえん
)
に円滑に男を自分のかけた
陥穽
(
わな
)
の中におとしいれて
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
チャイコフスキーらしい
優婉
(
ゆうえん
)
な旋律と、技巧のむずかしいことで有名な曲だ。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
そこにあつた安永五年刊の
雨月
(
うげつ
)
物語を取つて鉢の
蓋
(
ふた
)
にした。この奇怪に
優婉
(
ゆうえん
)
な物語は、彼が明和五年三十五歳のときに書いたものである。書いてから本になるまで八年の月日がかかつてゐる。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
優婉
(
ゆうえん
)
で、美しい。「掟きびしき白玉の、露にも濡れしことはなく」——色恋を
法度
(
はっと
)
として遮断されていた
初心
(
うぶ
)
な御殿女中が、はじめて知った男への恋慕のきびしさに、とりのぼせる
所作事
(
しょさごと
)
らしい。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ハリイは小さな「燕」との
優婉
(
ゆうえん
)
な格闘の新しい方法を案出していた。
ある幸福
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
と、八郎が声を掛けた
優婉
(
ゆうえん
)
な
婦
(
おんな
)
が居て、菊の奥を台所口から入ったお悦の手から魚籠を受取った。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
真中
(
まんなか
)
に例の
卓子台
(
ちゃぶだい
)
。で欄間に三枚つづきの
錦画
(
にしきえ
)
が額にして掛けてある。
優婉
(
ゆうえん
)
、
娜麗
(
だれい
)
、
白膩
(
はくじ
)
、
皓体
(
こうたい
)
、乳も胸も、滑かに濡々として、まつわる
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
、流れる水浅黄、誰も知った——歌麿の
蜑女
(
あま
)
一集の姿。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“優婉”の意味
《名詞》
優婉(ゆうえん)
優しく淑やかである、または美しいこと。
(出典:Wiktionary)
優
常用漢字
小6
部首:⼈
17画
婉
漢検1級
部首:⼥
11画
“優婉”で始まる語句
優婉瑰麗