伝令でんれい)” の例文
「では、試合にさきだって、伝令でんれいの者が、各所かくしょたまりの人々へ、番組ばんぐみ予告よこくするのが定例じょうれいでござるゆえ、そちらの闘士をきめて、この下へご記名きめいねがいたい」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たかは、黒雲くろくもに、伝令でんれいすべく、夕闇ゆうやみそらのぼりました。ふるいひのきはあめかぜぶためにあらゆるおおきなえだちいさなえだを、落日後らくじつごそらにざわつきたてたのであります。
あらしの前の木と鳥の会話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
八番打者、投手の星野ほしのが、先のほうを四分の一ほど黒くぬった愛用あいようのバットをさげて、バッターボックスへはいろうとした。だが、そのとき、伝令でんれいがきて、かれはベンチへよばれた。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
「おい、ポチ、お前は伝令でんれいが出来るね」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だい百二十八聯隊れんたい伝令でんれい!」
ありときのこ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
……とうとうたる太鼓たいこ……かたのごとき黄母衣きほろ赤母衣あかほろ白母衣しろほろ伝令でんれいが、番外ばんがいの五番試合じあい各所かくしょひかじょへふれて、にじのように試合場しあいじょうのまわりを一じゅんする……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前線ぜんせんへ、伝令でんれいにいった兵士へいしが、かえりのやまなかみちまよってしまった。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
さきに、伝令でんれいが陣ぶれをしたことばには、かならず、呂宋兵衛を手捕りにせよとのたっしであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)