“付(づ)” の例文
お粂がその時、吸い物の向こう付(づ)けになるようなものを盆にのせて持って来た。お民はそれを客にすすめながら
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
夜食が済むと座敷を取り片付(づ)けるので母屋(おもや)の方は騒いでいたが、それが済むと長屋の者や近所の者がそろそろ集まって来て、がやがやしゃべるのが聞こえる。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
宗助(そうすけ)は始(はじ)めて、此(この)坂井(さかゐ)も餘裕(よゆう)ある人(ひと)に共通(きようつう)な好事(かうず)を道樂(だうらく)にしてゐるのだと心(こゝろ)付(づ)いた。さうして此間(このあひだ)賣(う)り拂(はら)つた抱一(はういつ)の屏風(びやうぶ)も、最初(さいしよ)から斯(か)う云(い)ふ人(ひと)に見(み)せたら、好(よ)かつたらうにと、腹(はら)の中(なか)で考(かんが)へた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)