人懷ひとなつ)” の例文
新字:人懐
何處どこ人懷ひとなつこいところがあつて只管ひたすら他人たにん同情どうじやうかつしてたおしなはゝ何物なにものをかもとめるやうな態度たいどやうや二人ふたりちかづけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼女は、私には、人懷ひとなつこい氣紛れものであつた。私のことを、リヴァズ氏に似てゐらつしやる、なゞと云つた。
ひとつは村里むらざとちかづいたとおもふまゝに、里心さとごころがついて、きふ人懷ひとなつかしさにへないのと、ひとつは、みづのために前途ゆくてたれて、わたるにはしのない憂慮きづかはしさとである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
實家さとの、母親はゝおやあねなんぞが、かはる/″\いててくれますほかに、ひらきばかりみつめましたのは、人懷ひとなつかしいばかりではないのです……つゞいて二人ふたり三人さんにんまで一時いちどきはひつてれば、きつそれ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)