云立いひたて)” の例文
見るより忽ち出で來りて浦嶋太郎の腰を掛けた岩があれで向ふのが猿が踊ををどツた古跡だなどゝ茶かした云立いひたてに一人前五厘と掴み込む田舍の道者魂消たまげた顏にて財布を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
云立いひたて九條家を退しりぞき浪人らうにんして近頃美濃國の山中にかくれ住ければ折節をりふしこの常樂院へ來り近しくまじはる人なり此人奇世きせい豪傑がうけつにて大器量だいきりやうあれば常樂院の天忠和尚も此山内伊賀亮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まねき三人なにひそか耳語さゝやきけるがほどなく清三郎は出行いでゆきたり是は途中とちうにて惡者わるものに喧嘩を仕掛しかけさせ屋敷より請取うけとりきたる六十兩をうばひ又七は此金を受取うけとり遊女いうぢよがよひにつかこみしと云立いひたてそれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
眺め紀州へりて高野山へのぼり和歌の浦にて一首詠み熊野本宮の湯にりてもとの小栗と本復しと拍子にかゝれば機關からくり云立いひたてめけど少しは古物類ものぞく爲に奈良へ𢌞りて古寺古社にまう名張越なばりごえ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
見付みつけ云立いひたてなば金はかへすに及ぶまじと思ひ居けるに或日庄三郎は又七をよび松平相摸守殿まつだひらさがみのかみどのの屋敷へ金子六十兩請取うけとりに參るべしと申付けしかば忠八是をきゝてお常にかくと知らせの清三郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)