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世捨人
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よすてびと
ふりがな文庫
“
世捨人
(
よすてびと
)” の例文
「あなたが、そんなひどい人だとは思わなかった。悟りすました
世捨人
(
よすてびと
)
の様な顔をしていて、その実恐しい悪党だったのね」
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、幸村自身は
伝心月叟
(
でんしんげっそう
)
と
世捨人
(
よすてびと
)
めかして、草庵に質素な生活をしていたし、そんな莫大な金を
費
(
つか
)
う途はない。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌
(
うた
)
詠
(
よ
)
む人の方便とのみ思ひ居し戀に惱みしと言ふさへあるに、木の
端
(
はし
)
とのみ嘲りし
世捨人
(
よすてびと
)
が現在我子の願ならんとは、左衞門
如何
(
いか
)
でか驚かざるを得べき。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
……
償
(
つぐな
)
いも捨てた。……僕は
世捨人
(
よすてびと
)
だ。僕はたったひとりだ。僕は世間の者達からは気違いとして葬られた。都では、ただ一人の正しいものをこう呼んでいる。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「これはこれは、先生が名に負う近藤勇殿でござったか、鬼神と鳴りひびく近藤先生のお名前、
世捨人
(
よすてびと
)
の山僧までも承り奉る、いかで先生のお相手がつとまるべき、許させ給え」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
少
(
わか
)
い
世捨人
(
よすてびと
)
な、これ、坊さまも
沢山
(
たんと
)
あるではないかいの、まだ/\、死んだ者に
信女
(
しんにょ
)
や、
大姉
(
だいし
)
居士
(
こじ
)
なぞいうて、名をつける
習
(
ならい
)
でござらうが、何で又、其の
旅商人
(
たびあきうど
)
に
婦人
(
おんな
)
が
懸想
(
けそう
)
したことを
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
古来幾多の
世捨人
(
よすてびと
)
は人間の死ということに心を置いて、樹下石上の旅にさまようた。
西行
(
さいぎょう
)
も
宗祇
(
そうぎ
)
も
芭蕉
(
ばしょう
)
もまたそれら世捨人のあとを
慕
(
しと
)
うて旅にさまようた。そうして宗祇も芭蕉も旅に死んだ。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「折にあへば如何なる花か厭はれん時ならぬこそ見劣りはすれ」、「憂きことよ猶身に積れ老いてさへまだ世に飽かぬこころ知るべく」、かかるは如何でか無為空寂をよろこぶ
世捨人
(
よすてびと
)
の歌ならんや。
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
政子は、もうこの
世捨人
(
よすてびと
)
の尼とはなしているのは退屈であった。山は青葉時、海も飽くまで青い、肺のなかまで青嵐に染まりそうな心地を、独りぽつねんと楽しんでいたかった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより、人目も
稀
(
まれ
)
な竹山の隠れ里に住まう、しがない
世捨人
(
よすてびと
)
、……野山にまじりて、竹を取りながら、それで
竹籠
(
たけかご
)
なんぞを編んでは、細々とその日その日の
生計
(
くらし
)
にあてておりましたのじゃ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
況
(
ま
)
してや瀧口殿は何思ひ立ちてや、世を捨て給ひしと專ら評判高きをば、御身は未だ聞き給はずや。
世捨人
(
よすてびと
)
に情も義理も
要
(
い
)
らばこそ、花も
實
(
み
)
もある重景殿に只〻一言の
色善
(
いろよ
)
き
返
(
かへ
)
り
言
(
ごと
)
をし給へや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
や、や、や! ではこの
伊那丸
(
いなまる
)
が、かくまで心をくだいて、
武田家
(
たけだけ
)
の
再興
(
さいこう
)
を
計
(
はか
)
っているのに、お父上には、もう
現世
(
げんせ
)
の争闘をお
忌
(
い
)
みあそばして、まったく、心からの
世捨人
(
よすてびと
)
とおなりなされたのですか
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
捨
常用漢字
小6
部首:⼿
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“世捨”で始まる語句
世捨