“伝心月叟”の読み方と例文
読み方割合
でんしんげっそう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伝心月叟でんしんげっそうと今は名まで変えたりとはいえ、主の幸村は、真田昌幸が直子ちょくし、その実兄の信幸のぶゆきは、現に、徳川系の諸侯のひとり。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、幸村自身は伝心月叟でんしんげっそう世捨人よすてびとめかして、草庵に質素な生活をしていたし、そんな莫大な金をつかう途はない。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九度山の伝心月叟でんしんげっそうこと——真田幸村さなだゆきむらこそは油断のならぬおとこである。あれをこそ、まことの曲者くせものとはいうべきだろう。いつ風雲によって、どう変じるかも知れぬ惑星だ。深淵しんえんりゅうだ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)