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不精髯
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ぶしょうひげ
ふりがな文庫
“
不精髯
(
ぶしょうひげ
)” の例文
三十七八——
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
に顔半分を包んだような、洗いざらしの
半纏
(
はんてん
)
一枚の与八は、何もかもベラベラとしゃべってしまいそうです。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
面は
黒疱瘡
(
くろぼうそう
)
のあとでボツボツだらけだし、鼻はひしげているし、
髯
(
ひげ
)
は髯というよりも、短い
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
でいっぱいだ。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
細面で
痩
(
や
)
せぎすな彼女の父は、いつでも青白い
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
を生やした、そしてじっと柔和な眼をすえて物を見やっている、そうした形でおぬいには思いだされるのだった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
が、しかし、その時のは綺麗な姉さんでも小母さんでもない。
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
の
胡麻塩
(
ごましお
)
の
親仁
(
おやじ
)
であった。と、ばけものは、人の
慾
(
よく
)
に
憑
(
つ
)
いて邪心を追って来たので、
優
(
やさし
)
い
婦
(
ひと
)
は
幻影
(
まぼろし
)
ばかり。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その隣りの寝台には、
痩
(
や
)
せこけた
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
を生やした五十がらみの
親爺
(
おやじ
)
がいて、息子らしい若者が世話をしていた。おすぎは若者が
溲瓶
(
しゅびん
)
をさげて部屋を出て行く姿をなんとなく目にとめた。
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
▼ もっと見る
擬
(
まが
)
い
唐桟
(
とうざん
)
の袖口が
綻
(
ほころ
)
びて、山の入った帯、少し延びた
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
——叔母さんが見たら、さぞ悲しがるだろうと思う風体でした。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
どれもこれも、薄ぎたなくて、
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
を
生
(
は
)
やして、
負
(
お
)
い
薦
(
ごも
)
に尺八一本持って歩いていた。——中には本格的に鈴を振って、
普化禅師
(
ふけぜんじ
)
をまねて
凛々
(
りんりん
)
と
遊行
(
ゆぎょう
)
していた者がないこともなかったが。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
も大分のびた。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あんな
洒落者
(
しゃれもの
)
が、死顔を見ると
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
だらけ、その上、白髪染が流れ落ちて、
小鬢
(
こびん
)
が真っ白だ——四十になったばかりの孫右衛門さんに白髪があろうとは
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
粗野な
窮惜大
(
きゅうそだい
)
として終始し、——
梳
(
くしけ
)
ずらぬ獅子の髪、
烱々
(
けいけい
)
たる
鷺
(
わし
)
の眼、伸び放題の
不精髯
(
ぶしょうひげ
)
、
衣嚢
(
かくし
)
一杯に物を詰めて、裏返しになった上着、底の
傷
(
いた
)
んだ
靴
(
くつ
)
——そういった姿でウィーンの内外を横行し
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
精
常用漢字
小5
部首:⽶
14画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“不精”で始まる語句
不精
不精者
不精無精
不精鎌
不精鬚
不精々々
不精不精
不精髭
不精無性