“ぶしょうひげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無精髭35.5%
無精髯17.7%
不精髯16.1%
無精鬚12.9%
無性髯11.3%
不精鬚3.2%
無性髭3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは勿論彼女の目にはちらりと見えたばかりだった。が、彼女はこの男を、——この無精髭ぶしょうひげを伸ばした男を軽蔑けいべつしないわけにはかなかった。
たね子の憂鬱 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
無精髯ぶしょうひげが伸びほうだいに顔じゅうにはびこり、陽に焼けた眉間みけんや頬に狡猾こうかつの紋章とでもいうべき深い竪皺たてじわがより、ほこりあかにまみれて沈んだ鉛色なまりいろをしていた。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
面は黒疱瘡くろぼうそうのあとでボツボツだらけだし、鼻はひしげているし、ひげは髯というよりも、短い不精髯ぶしょうひげでいっぱいだ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無精鬚ぶしょうひげというのをとらえて、それを「剃杭」といって、そのくいに馬をつないでも、ひどく引っぱるなよ、法師が半分になってしまうだろうから、というのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
反古ほごを、金の如くのべて、古画を臨摹りんぼする。ほそぼそとともる深夜のかげに、無性髯ぶしょうひげの伸びた彼の顔は、芸術の鬼そのものである。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この地方の新聞社の記者だと称する不精鬚ぶしょうひげをはやした顔色のわるい中年の男がやって来て、あなたは今の東北帝大医学部の前身の仙台医専を卒業したお方と聞いているが、それに違いないか
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
A刑事はゴマ塩の無性髭ぶしょうひげを撫でながらニッコリと笑った。
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)