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無性髯
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ぶしょうひげ
ふりがな文庫
“
無性髯
(
ぶしょうひげ
)” の例文
日の光が斜めに窓からさし込むので、それを
真面
(
まとも
)
に受けた大尉の
垢
(
あか
)
じみた横顔には
剃
(
そ
)
らない
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
が一本々々針のように光っている。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
反古
(
ほご
)
を、金の如くのべて、古画を
臨摹
(
りんぼ
)
する。ほそぼそと
燈
(
とも
)
る深夜の
灯
(
ほ
)
かげに、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
の伸びた彼の顔は、芸術の鬼そのものである。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頤骨
(
あごぼね
)
が
尖
(
とが
)
り、頬がこけ、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
がざらざらと
疎
(
あら
)
く黄味を帯び、その
蒼黒
(
あおぐろ
)
い
面色
(
かおいろ
)
の、
鈎鼻
(
かぎばな
)
が尖って、ツンと
隆
(
たか
)
く、小鼻ばかり
光沢
(
つや
)
があって
蝋色
(
ろういろ
)
に白い。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
隆々たる筋肉をもち、下腹も肥えているので、わざと
反
(
そ
)
っているくらいに見える。
硬
(
こわ
)
そうな
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
と、僧にしては闘争的な眼光を備えている。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが
家
(
や
)
の玄関には毎日のやうに
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
そらぬ洋服の男来りて
高声
(
こうせい
)
に面会を求めさうさう留守をつかふならばやむをえぬ故法律問題にするなどと
持前
(
もちまえ
)
のおどし文句を
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
堪
(
たま
)
らず袖を巻いて唇を
蔽
(
おお
)
いながら、勢い釵とともに、やや白やかな手の伸びるのが、
雪白
(
せっぱく
)
なる
鵞鳥
(
がちょう
)
の七宝の
瓔珞
(
ようらく
)
を掛けた風情なのを、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
で、チュッパと
啜込
(
すすりこ
)
むように、坊主は
犬蹲
(
いぬつくばい
)
になって
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
堪
(
たま
)
らず袖を巻いて唇を
蔽
(
おお
)
ひながら、
勢
(
いきお
)
ひ釵とともに、やゝ
白
(
しろ
)
やかな手の伸びるのが、
雪白
(
せっぱく
)
なる
鵞鳥
(
がちょう
)
の
七宝
(
しっぽう
)
の
瓔珞
(
ようらく
)
を掛けた
風情
(
ふぜい
)
なのを、
無性髯
(
ぶしょうひげ
)
で、チユツパと
啜込
(
すすりこ
)
むやうに、坊主は
犬蹲
(
いぬつくばい
)
に成つて
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“無性”で始まる語句
無性
無性者
無性髭
無性猫
無性箱