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無精髯
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ぶしょうひげ
ふりがな文庫
“
無精髯
(
ぶしょうひげ
)” の例文
見違えるほど
窶
(
やつ
)
れ果てた顔に、著しく
白髪
(
しらが
)
の殖えた
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
を
蓬々
(
ぼうぼう
)
と生やした彼の
相好
(
そうごう
)
を振り返りつつ、互いに眼と眼を
見交
(
みかわ
)
した。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
が伸びほうだいに顔じゅうにはびこり、陽に焼けた
眉間
(
みけん
)
や頬に
狡猾
(
こうかつ
)
の紋章とでもいうべき深い
竪皺
(
たてじわ
)
がより、
埃
(
ほこり
)
と
垢
(
あか
)
にまみれて沈んだ
鉛色
(
なまりいろ
)
をしていた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
皺
(
しわ
)
の深い
唇
(
くち
)
のまわりに、ばらっと、針のような
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
の伸びているその老人の顔と、物言い振りを、それまでじっと傍観していた性善坊は、その時始めて口をひらいて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銭形平次は
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
を抜きながら、ケロリとしてこんなことを言うのです。お盆過ぎのある日、御用がすっかり暇になって、涼みに行くほどのお小遣いもない退屈な昼下がりでした。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
痩
(
や
)
せて小柄のお
巡
(
まわ
)
りが玄関で、帳簿の私の名前と、それから
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
のばし放題の私の顔とを、つくづく見比べ、おや、あなたは……のお坊ちゃんじゃございませんか? そう言うお巡りのことばには
黄金風景
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
白毛混
(
しらがま
)
じりの
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
にかこまれた厚い唇を、いやに
尖
(
とが
)
らして、その高貴な煙草——自分ではかつて一度も買ったことのない、一年に一度くらいの割合で、珍しい相手から一本を限度として与えられる
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
鼻の下の薄黒い
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
とが、不調和についていた。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
馬の上に揺られて来る顔は、夕雲に赤く映えて、その白い歯や
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
まで明らかに見えた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正吉は飛んで行って、人相のあまりよくない、
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
の五十男をつれて来ました。
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いえ、あんな奴は始めてで、——四十ぐらいで、
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
を生やして、天水桶の蔭へ丸くなって、半刻ばかり動かなかったんです、——が、何か見た事のある人間のような気もしますよ」
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
五十男の
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
だらけな助七は、臆病らしくこう言うのです。
銭形平次捕物控:092 金の茶釜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
精
常用漢字
小5
部首:⽶
14画
髯
漢検1級
部首:⾽
15画
“無精”で始まる語句
無精
無精髭
無精鬚
無精者
無精髪
無精髮