不滅ふめつ)” の例文
文字の精共が、一度ある事柄をとらえて、これを己の姿で現すとなると、その事柄はもはや、不滅ふめつの生命を得るのじゃ。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
はっはっは、どうだ、もっともそれはおれのように勢力不滅ふめつの法則や熱力学第二則がわかるとあんまりおかしくもないがね、どうだ、ぼくの軍隊は規律がいいだろう。
月夜のでんしんばしら (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そしてそういう文字や名前が、大きな丘の上に張られた一つのあみのようになっているのです。いわば一種の不滅ふめつです。もっとも、それをまた新しい芝生がおおっていくのですが。
貴下こなた有分もちぶんるといへばらぬわけにはゆかぬが、てんぶん永劫えいごふ不滅ふめつぢゃ。
箇々の選んでゆく道は種々さまざまなものに違いない。しかし、意義と、生きがいを掴んでこそ、生きのよろこびは、その人間に無上に楽しいにちがいない。——また、不滅ふめつな作用ももつものだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
し、諸君しよくんにして中江兆民なかえてうみん先生せんせいどうしゆであつて、十八零圍氣れいゐき振舞ふりまはして滿足まんぞくしてるならば、諸君しよくんなん權威けんゐあつて、『はるみじかなに不滅ふめついのちぞと』云々うん/\うたひと自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
春みじかし何に不滅ふめつの命ぞとちからある乳を手にさぐらせぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
偉大いだい不滅ふめつをまさに
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あはれ不滅ふめつ精力せいりよく
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)