カミ)” の例文
梁山泊ノ義士 宋江ソウコウ。 大名府ダイミョウフ、及ビ天下ノ人士ニ告グ 今ヤ、大宋国タイソウコクニアリテハカミ濫官ランカンクライニアリ シモ汚吏権オリケンホシイママニ、良民ヲシイタ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも隣りが、那珂郡ですからカミナカだと云う人もありますが、あの近所は方々に神山だの石神などと神の字の在所があるところでね。
物部氏が、本流は亡びたが、イソカミ氏が栄えてゐて、大嘗祭の時に、大切な御門の固めをした。門の処に、楯と矛とを樹てゝ、外敵を差し止める事をした。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
カミ」の「ミ」と「カミ」の「ミ」とを同じ仮名と考えて、かような語源説を立てられたものと思われます。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
それ/″\のウヂカミたり、村の君たる者として、当然持つた神主の祭祀能力から出たものと見える。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その代り、旦那もお久美さんも二重結婚とやらの罪をきるそうですが、御一新のドサクサの際ですもの、夫婦は遠く離れてお互に生死も分らぬ非常の際、それはおカミが察して下さるそうですよ。
どうしても「カミ」と「カミ」との間に関係を附けてはいけないということは少し言い過ぎかも知れませんが、我々が達することが出来る極めて古い時代の、奈良朝またはもう少し古い時代において
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
大きな藤原一族の族長たるウヂカミの資格は、此食器の所在によつて定まつたのである。宮廷における三神器の意義に近い宝だつたのである。此は、藤原良房の代に作られたものだと言ふ。
河童の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ものゝべの文学に関与してゐる側から云ふと、物部氏の複姓なるイソカミに附属した呪術は、古代に於ける各種の鎮魂法のうち、最重く見られる筈の長い伝統と、名高い本縁とを持つてゐたのだ。
カミ毛野ケヌ 佐野サヌのくゝたち折りはやし、ワレたむゑ。今年ずとも
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
蔵王山の行者が、峰の精進ショウジをすましての第一の下立オリタちが、此高湯だとすれば、麓の解禁場トシミバカミノ山に当るわけである。其ほど繁昌して居て、亦年久しい湯治場だろうのに、未に新開地らしい所がある。
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
此が、猿女鎮魂以外に、イソカミの鎮魂がある所以である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
イソカミふるき」
日本文章の発想法の起り (新字旧仮名) / 折口信夫(著)