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一角
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いっかく
ふりがな文庫
“
一角
(
いっかく
)” の例文
ふり返って見ると、入院中に、余と運命の
一角
(
いっかく
)
を同じくしながら、ついに広い世界を見る機会が来ないで
亡
(
な
)
くなった人は少なくない。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一角
(
いっかく
)
入れてスタ/\スタ/\タヽヽヽヽヽとよく云いまするが嘘だそうです、聞きまするに馬は乗りたてから
駈
(
かけ
)
を
逐
(
お
)
うと、馬が
苛
(
じ
)
れていかんそうで
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
*3 センナヤ ロシアの大抵の市にある特殊な
一角
(
いっかく
)
。本来は乾草市場であるが、多くは
場末
(
ばすえ
)
の盛り場になっている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
藪入
(
やぶいり
)
などは勿論ここらの
一角
(
いっかく
)
とは没交渉で、新宿行の電車が満員の札をかけて忙がしそうに走るのを見て、
太宗寺
(
たいそうじ
)
の
御閻魔様
(
おえんまさま
)
の御繁昌を
窃
(
ひそ
)
かに占うに過ぎません。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
流下
(
りゅうか
)
して来た巨材の衝突によって
一角
(
いっかく
)
が
壊
(
やぶ
)
れたため遂に破壊してしまったのです。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
早稲
(
わせ
)
から米になって行く。
性急
(
せいきゅう
)
に
百舌鳥
(
もず
)
が鳴く。日が短くなる。
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
が夕日の空に数限りもなく乱れる。柿が好い色に照って来る。ある寒い朝、
不図
(
ふと
)
見ると富士の北の
一角
(
いっかく
)
に白いものが見える。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ただ、その間に、博士は天の
一角
(
いっかく
)
からふしぎな声を聞いた。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして、まるい
大空
(
おおぞら
)
の
一角
(
いっかく
)
を、
三角形
(
さんかくけい
)
にくぎっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「風邪をひくぞよ、
一角
(
いっかく
)
」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お延の自分に対する信用を、女に大切なその
一角
(
いっかく
)
において突き
崩
(
くず
)
すのは、自分で自分に
打撲傷
(
だぼくしょう
)
を与えるようなものであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人に同情を寄せたいと思うとき、
向
(
むこう
)
が泰然の具足で身を固めていては芝居にはならん。器用なものはこの泰然の
一角
(
いっかく
)
を針で突き
透
(
とお
)
しても
思
(
おもい
)
を
遂
(
と
)
げる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
して見ると四角な世界から常識と名のつく、
一角
(
いっかく
)
を
磨滅
(
まめつ
)
して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
将軍の去ったあとは群衆も
自
(
おのず
)
から乱れて今までのように静粛ではない。列を作った同勢の
一角
(
いっかく
)
が
崩
(
くず
)
れると、堅い黒山が一度に動き出して濃い所がだんだん薄くなる。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
逡巡
(
しゅんじゅん
)
として曇り勝ちなる春の空を、もどかしとばかりに吹き払う山嵐の、思い切りよく通り抜けた
前山
(
ぜんざん
)
の
一角
(
いっかく
)
は、未練もなく晴れ尽して、
老嫗
(
ろうう
)
の指さす
方
(
かた
)
に
巑岏
(
さんがん
)
と
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不平と
憎悪
(
ぞうお
)
と、乱倫と
悖徳
(
はいとく
)
と、盲断と決行とを想像して、これらの
一角
(
いっかく
)
に触れなければならないほどの坂井の弟と、それと利害を共にすべく満洲からいっしょに出て来た安井が
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“一角”の意味
《名詞》
一角(いっかく)
一つの角や隅。
一本の角をもつ一角獣の別名
イッカク。
(出典:Wiktionary)
“一角(イッカク)”の解説
イッカク (一角、学名:Monodon monoceros) は、哺乳綱偶蹄目(鯨偶蹄目とする説もあり)イッカク科イッカク属に分類される鯨類。本種のみでイッカク属を構成する。雄が非常に長い一本角(実際は牙)をもつことで知られる。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
“一角”で始まる語句
一角獣
一角丸
一角楼
一角魚