“屹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きっ69.8%
きつ19.6%
9.8%
きツ0.3%
こつ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これらのことは伊沢と秀木とで話し、弥十郎は退屈しながら聞いていたのであるが、やがて、彼は自分の耳を疑うようにきっとなった。
屏風はたたまれた (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
笑ふと八重齒が少し見えて、滅法可愛らしくなるくせに、眞面目な顏をすると、きつとした凄味が拔身のやうに人に迫るたちの女でした。
しばらくはわが足にまつわる絹の音にさえ心置ける人の、何の思案か、と立ち直りて、ほそき手の動くと見れば、深き幕の波を描いて
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
妄念まうねんおこさずにはや此処こゝ退かつしやい、たすけられたが不思議ふしぎくらゐ嬢様ぢやうさまべツしてのおなさけぢやわ、生命冥加いのちみやうがな、おわかいの、きツ修行しゆぎやうをさつしやりませ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その矗々ちくちくとして、鋭く尖れるところ、一穂の寒剣、晃々天を削る如く、千山万岳鉄桶を囲繞せる中に、一肩を高くき、あたまに危石あり、脚に迅湍あり、天柱こつとして揺がず、まことに唐人の山水画
槍ヶ岳対穂高岳は、常陸山ひたちやま対梅ヶ谷というも、あながち無理はなかろう、前者の傲然てる、後者の裕容迫らざるところ、よく似ている。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)