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をたき
唯一
筋でも
岩を
越して
男瀧に
縋りつかうとする
形、それでも
中を
隔てられて
末までは
雫も
通はぬので、
揉まれ、
揺られて
具さに
辛苦を
嘗めるといふ
風情、
此の
方は
姿も
窶れ
容も
細つて
私は
耐らず
真逆に
瀧の
中へ
飛込んで、
女瀧を
確と
抱いたとまで
思つた。
気がつくと
男瀧の
方はどう/\と
地響打たせて、
山彦を
呼んで
轟いて
流れて
居る、あゝ
其の
力を
以て
何故救はぬ、
儘よ!