“わきみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
傍道34.3%
脇道14.3%
岐路14.3%
傍路11.4%
側道8.6%
側路5.7%
傍径2.9%
岐道2.9%
横道2.9%
脇路2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところでここでもう一つ傍道わきみちに這入って説明しておかなければならぬ事は、人間が「第六感」を感ずる場合に三種類ある事である。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
非常に疲れて、ひどく空腹に苦しみながら、私は脇道わきみちに外れて小徑に入り、まがきの根元にうづくまつて了つた。が、暫くも經たぬ内にまた歩き出した。
話頭はなし岐路わきみちに入ったようであるが、自分の胸中に正しからざる種子たね潜伏せんぷくする以上は、いかに最初は勇敢なるも、いかに初対面のときに豪傑風を装うとも
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
だが、傍路わきみちへはいってはならない。そんなことはあまりにわかり切ったことなのだ。それはやっぱり、飯の食えない、健康体の人たち、すなわち労働者たちが、命じられている仕事の一つなのだ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
ジャン・ヴァルジャンは側道わきみちのうちに、建築材置き場の門の所に置いてある木材の上に腰をおろしていた。彼は顔を往来の方に向け、背中を東に向けていた。
バルキスに怪我でもあつてはと、王は生残つた奴の恐れに乗じて、女王を抱いたまま、人通りの無い側路わきみちへ逃げこんだ。路はまつ暗でしんとしてゐる。夜の静けさが地をつつんでゐるのである。
バルタザアル (新字旧仮名) / アナトール・フランス(著)
私は余りに傍径わきみちをしましたからめませう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
これを鼬ごっこの疲労くたびれ儲けと解して、岐道わきみちれた人は退屈と不安があるばかりで、生涯、人生の味は解し得られないのであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ヘヘ……旦那様……横道わきみちへ入って恐れ入りまするが、私は元来、金持が嫌いで御座いまして……」
話が脇路わきみちれました。兄は帰朝後、新調の車で毎日役所へ通われます。私はひまがあれば兄を訪いました。私への土産は、駝鳥だちょうの羽を赤と黒とに染めたのを、幾本か細いブリキの筒へ入れたのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)