“そばみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
岨道64.9%
岨路24.3%
岐道5.4%
桟道2.7%
阻道2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
香煙の器具一式とを取出して身に着け、鞘を失ひし脇差を棄てゝ身軽となり、兼ねてより案内を探り置きし岨道そばみち伝ひに落ち行く。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
岩角に隠れた河岸かしの紅葉も残り少なく、千樫ちがしと予とふたりは霜深き岨路そばみちを急いだ。顧みると温泉の外湯の煙は濛々もうもうと軒を包んでたちのぼってる。
白菊 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かの孤家ひとつや婦人おんなというは、もとな、これもわしには何かのえんがあった、あの恐しい魔処ましょへ入ろうという岐道そばみちの水があふれた往来で、百姓が教えて、あすこはその以前医者の家であったというたが
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あまあがりの桟道そばみちにかけてある橋の板を踏すべらして、がけころがちて怪我けがをしてから、病院へかつぎこまれて、間もなく死んでしまったと云うのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
主人はいつも山の阻道そばみちをうろつく。草花の色々に咲いた野に休んで、仰向になつて絶間なく青空を見詰めて、田舎の罪のない唄を歌ふ。そしてをしの童には笛を吹かせる。