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らうじん
惡く
言へば
傲慢な、
下手が
畫に
描いた、
奧州めぐりの
水戸の
黄門と
言つた、
鼻の
隆い、
髯の
白い、
早や七十ばかりの
老人でした。
頸筋は
豚に
似て
聲までが
其らしい
老人は
辨當をむしやつき、
少し
上方辯を
混ぜた五十
幾歳位の
老婦人はすしを
頬張りはじめた。
モン長 なう、
情なや、
我君!
我子の
追放を
歎悲の
餘りに
衰へて、
妻は
昨夜相果ました。
尚此上にも
老人をさいなむは
如何なる
不幸ぢゃ。