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よこたは
放蕩と死とは
連る鎖に候。何時も変りなき余が
愚をお笑ひ下され度く候。余は
昨夜一夜をこの
娼帰と共に、「
屍の屍に添ひて
横る」
樵夫を
僦ふて
僕を
索す、
此暗い
溪底に
僕の
死體が
横つて
居る、
東京へ
電報を
打つ、
君か
淡路君か
飛んで
來る、そして
僕は
燒かれてしまう。
下男共は
來て、
彼の
手足を
捉り、
小聖堂に
運び
去つたが、
彼が
眼未だ
瞑せずして、
死骸は
臺の
上に
横臥つてゐる。
夜に
入つて
月は
影暗く
彼を
輝した。